


ビットコインやイーサリアムの流出事件が未だに起こっているけど、どの保管方法が一番安全なのか?
仮想通貨や暗号資産はホットウォレットよりもコールドウォレットの方が安全だと言われていますが、本当にそうなのでしょうか。
現時点で利用できる保管方法を紹介しながら、どのようにするのが流出のリスクも低く、最も安全なのかを一緒に考えてみましょう。
目次
仮想通貨や暗号資産の保管方法は何がある?
まず最初に現時点で利用できる仮想通貨や暗号資産の保管方法を紹介すると
ウォレットの種類は?
- ウェブウォレット(取引所のウォレット)
- モバイルウォレット
- デスクトップウォレット
- ハードウェアウォレット
- ペーパーウォレット
大きく分けると仮想通貨や暗号資産は5種類のウォレットで管理することができ、それぞれに安全性の違いがあります。
仮想通貨ウォレットの安全性の違いは?
仮想通貨ウォレットの種類や安全性の違いを一覧にまとめると
ウォレット名 | 種類 | 安全性 |
ウェブウォレット | ホットウォレット | 低い |
モバイルウォレット | ホットウォレット | 普通 |
デスクトップウォレット | ホットウォレット | 普通 |
ハードウェアウォレット | コールドウォレット | 高い |
ペーパーウォレット | コールドウォレット | 高い |
ビットコインや仮想通貨を保管する際には、ハッキングリスクが最も流出の原因になるので、どれだけハッキングされにくい状態であるかということが重要な指標になります。
ホットウォレットと呼ばれるインターネットに接続した状態のウォレットよりも、コールドウォレットと呼ばれるネット上に存在しない状態の方が間違いなく安全ですよね。
長期間とか高額なビットコインや仮想通貨を保管する際には、より安全性の高いコールドウォレットを利用すべきでしょう。
ただ全ての保管方法にメリットやデメリットがあるので、これから紹介することを踏まえて、あなたにあった保管方法を選んでくださいね。
ウェブウォレットの特徴、メリットやデメリットは?
ウェブウォレットとはインターネット上で作成されているウェブウォレットのことで、仮想通貨取引所のように自社のサーバー内に仮想通貨を管理しているウォレットのこと。
仮想通貨取引所以外にもいくつか専用のウェブウォレットサイトがあり、そこでビットコインなどを保管することができます。
ウェブウォレットは利便性が高く、誰でも簡単に利用することができることでも人気ですが、セキュリティー面に脆弱性があったり、運営元が信頼できるかどうかなどの問題もあります。
NEMやマウントゴックス、ザイフや先日のビットポイントの流出全て、取引所のウェブウォレットから不正アクセス等で流出したもの。
流出事件も多いので、ウェブウォレットに長期間、多額のビットコインや仮想通貨を保管するのはリスクが高いことだとわかりますよね。
ウェブウォレットを利用することのメリットは?
ウェブウォレットを利用するメリットは、インターネットに接続できれば、いつでもどこでも利用でき、アカウントの作成や管理が容易だったり、ユーザビリティが高いことが挙げられます。
ウェブウォレットの作成はメールアドレスとパスワードだけで可能ですし、不正アクセス等のセキュリティー対策は運営側が全て行ってくれます。
スマホでも簡単にアクセスできるので、スマホしか持っていない人でもウェブウォレットなら手軽に利用することができます。
非常に使い勝手がよく、初心者におすすめな印象もありますがやはりデメリットを踏まえて利用すべきでしょう。
ウェブウォレットを利用することのデメリットは?
ウェブウォレットのデメリットは、不正アクセスによる流出だけではありません。
ウェブサイト内にあるウォレットなので、サイトに不具合が生じると資産が凍結されてしまう可能性もあります。
サーバーが機械的に故障してしまうと、それをきっかけにウェブウォレットにアクセスできなくなり、取り出せなくなる可能性も否定できません。
仮想通貨取引所のウェブウォレットであれば多くの通貨に対応していますが、運営元が仮想通貨取引所以外の場合は、保管できる通貨の種類に限りがあります。
仮想通貨はどのウォレットでも、対応通貨と非対応通貨があるので対応していない通貨は保管することができませんので、購入する通貨によってはウェブウォレットだと使い勝手が悪い場合もあるので注意してください。
モバイルウォレットの特徴、メリットやデメリットは?
モバイルウォレットとはスマホやタブレット端末のアプリを利用して、ビットコインなどの仮想通貨を管理する方法のこと。
ウェブウォレットよりも安全性は優れていると考えられますし、スマホがあれば誰でも簡単に利用できる特徴があります。
モバイルウォレットを利用することのメリットは?
モバイルウォレットのメリットは、スマホ1台あればいつでもどこでもアクセス可能なところで、専用アプリを介して取引を行うので管理しやすい特徴があります。
スマホ内に専用アプリがあることで、仮想通貨を決済手段として利用できる店舗なら、モバイルウォレットで直接決済することもできます。
直接支払いに利用できることで、ウェブウォレットよりもモバイルウォレットの方が利便性が高いことがわかりますよね。
モバイルウォレットを利用することのデメリットは?
モバイルウォレットはスマホ内で暗号キーを管理しているので、スマホが故障したり、間違って初期化してしまうとウォレットにアクセスできなくなる可能性も。
また紛失等も考えられますので、モバイルウォレット利用時にはスマホのバックアップを定期的に行っておくべきでしょう。
仮想通貨取引所のように大量の仮想通貨を保管しているわけではないので、ハッキングの対象になる可能性は低いものの、ウィルス混入等で暗号キーが流出してしまう可能性はあります。
暗号キーが流出してしまえば、モバイルウォレットにアクセスできるので、そこから流出することも考えられます。
モバイルウォレットのもうひとつのデメリットは対応コインの少さ。
仮想通貨を買う際にアルトコインをメインに考えている人の場合は、マイナーなアルトコインを購入すると、モバイルウォレットで保管できないことも。
アルトコインではなくビットコインの管理には向いていますので、どのような通貨を主に買うのかということでも、モバイルウォレットを利用すべきではない人もいます。
デスクトップウォレットの特徴、メリットやデメリットは?
デスクトップウォレットとは、デスクトップPCなど自分のパソコン上で仮想通貨を管理するウォレットのこと。
モバイルウォレットとは保管する機種が異なるだけではなく、デスクトップウォレットならではの特徴がありますので、モバイルウォレットよりも安全性は高いと考えることもできます。
デスクトップウォレットを利用することのメリットは?
デスクトップウォレットの場合、仮想通貨の開発元が公式リリースしているものも多く、信頼性が高いと考えられます。
さらにフルノードのウォレットだと、マイニングまでできてしまうものもあるので、仮想通貨を保管しながら増やすなんてことも可能です。
消費電力や他の作業への影響等も考える必要がありますが、自動で増えていく仕組みがあるのは嬉しいですよね。
デスクトップウォレットを利用することのデメリットは?
一見するとメリットの多いデスクトップウォレットですが、公式サイトがリリースするということは、管理できるのは1種類の通貨のみ。
複数の通貨をデスクトップウォレットで管理することはできませんので、所有する通貨分だけ、デスクトップウォレットをインストールしなければなりません。
普段からパソコンの前にいる人なら問題ないと思いますが、パソコン作業があまり得意ではない人はかなり面倒だと思います。
さらにパソコンはスマホよりもウィルスの脅威にさらされることが多く、セキュリティー対策は自分で行わなけれななりません。
ウィルス感染や不正アクセスなどによる流出の可能性も否定できませんので、デスクトップウォレットを利用する場合は、ウィルスソフトは常に最新のものにアップデートするようにしましょう。
ハードウェアウォレットの特徴、メリットやデメリットは?
ここまで紹介してきたウォレットはホットウォレットと呼ばれ、インターネット上に接続しており、不正アクセス等による流出リスクのある保管方法。
しかしハードウェアウォレットから先は、コールドウォレットとも呼ばれインターネットから完全に隔離している保管方法なので、不正アクセスによる流出リスクはありません。
ハードウェアウォレットの代表的なものとして、
代表商品
- LedgerNanoS(レジャーナノエス)
- Trezor(トレザー)
- LedgerBlue(レジャーブルー)
- BITHD(ビットシールド)
というものがあり、それぞれに特徴があります。
ハードウェアウォレットを利用することのメリットは?
ハードウェアウォレットを利用する一番のメリットは、圧倒的なセキュリティーの高さでしょう。
インターネットに繋ながっていないので、ハードウェアウォレットに保管したビットコインや仮想通貨は本人以外がネットワークを通じてアクセスすることは不可能です。
ハードウェアウォレットはUSBのようなデバイスタイプなので、パソコンに接続するだけで非常に簡単に管理できますし、ペーパーウォレットと違って暗号キー等を打ち込む必要がありません。
また多くの種類の仮想通貨に対応しており、国内の仮想通貨取引所では購入できないアルトコインでも対応しているものもあります。
ハードウェアウォレットを利用することのデメリットは?
ハードウェアウォレットは安全性が高い反面、最初にデバイスを購入しなければならず、1万円〜1.5万円ほどの購入費用がかかります。
他の管理方法だとデバイスの購入費用がかかることはないので、無料で利用できますが、ハードウェアウォレットはそうは行きません。
しかも人気のハードウェアウォレットは店舗での在庫も少なく、正規販売店以外で購入することはおすすめできません。
Amazonなどで格安で購入できるハードウェアウォレットは、最初からウィルスが仕込まれているものもあると言われていますので、正規販売店以外で購入しないようにしましょう。
操作方法も特殊で多少なりともハードウェアウォレットの仕組みを理解する必要があるので、事前にマニュアルや説明書、参考サイトなどを利用して勉強しておく必要があります。
誤った方法で保管してしまうと、仮想通貨を出せなくなることもあるので注意してください。
最後に注意すべき事は盗難や紛失。
USBのようなデバイスなので、落ちているのを見てもそこに仮想通貨が入っていることもわからなでしょうし、無くしたら見つからない可能性が高いので紛失には十分に注意してください。
ペーパーウォレットの特徴、メリットやデメリットは?
ペーパーウォレットとはアドレスと暗号キーを上に印刷して保管する方法なので、ハードウェアウォレットのように購入費用はかかりません。
ペーパーウォレットを利用することのメリットは?
ペーパーウォレットのメリットは、コールドウォレットなのでハッキングリスクがなく、さらにデバイスの購入費用もかからないところ。
印刷するだけで作成できコピーすれば簡単に複製できますので、数カ所に分けて保管しておくことで紛失による資産を引き出せないリスクがなくなります。
初期費用をかけずにビットコインなどの仮想通貨を安全に保管したい人におすすめの方法です。
ペーパーウォレットを利用することのデメリットは?
ペーパーウォレットは印刷した紙が汚れてしまったり、破けてしまうとそれだけで暗号キーがわからなくなることも。
複製が簡単なもののそれを誰かに拾われてしまうと、暗号キーを読み出して仮想通貨を移動される可能性があることも否定できません。
コールドウォレットよりは見る人が見ればわかってしまうので、自分しか触らない場所に保管するべきでしょう。
またその都度、インターネットに接続して紙を読み取らないと行けないので、移動時に若干の手間がかかるという部分はあります。
送金や決済を頻繁に行う人の場合には、ペーパーウォレットよりもハードウェアウォレットの方が向いているでしょう。
仮想通貨の保管方法まとめ、コールドウォレットは安全なのかの記事まとめ
仮想通貨の保管方法についてこの記事では解説してきましたが、やはり安全面を考慮すると、ホットウォレットよりもコールドウォレット。
初期費用はかかりますが、コールドウォレットでもハードウェアウォレットが最も使い勝手が良いでしょう。
頻繁に送金も決済もしないし、じっくり保有して値上がりを待つというのであれば、ペーパーウォレットでもよいかもしれません。
いずれにしてもそれなりの金額を保有する場合は、いくつかの方法で分散して管理することも必要だと思います。
仮想通貨取引所も複数の登録が推奨されているくらいなので、管理方法についても同様の視点で考えるべきだと思いますよ。